ミルハウスナーフ後環境で意識すべきこと【ハースストーン バトルグラウンド】

メタ

4月20日のヒーロー《ミルハウス・マナストーム》の弱体化(ナーフ)以降、環境の変化はそれほどない(依然としてハイペースな環境)にも関わらずそれまでと同じようなプレイでは勝ちにくくなりました。大まかに137戦でレートが12500から11000に下がりました。

その後、アーキタイプに対する価値観やプレイ中の意識が変化し、68戦で12000まで上がりました。具体的には、メカ部隊を高く評価するようになり、やる必要があることに意識を向け、方向性を早い段階からイメージし、テンポを重視するようになりました。それらを説明します。

戦績

種族の分類は難しいですが、ある程度特定の種族に特化していたらそちらに分類しています。《鯖きの聖者》を含んでいたりする「聖なる盾」軸はメカで、《魔力のアスペクト・カレクゴス》がいれば他の種族がいてもドラゴン、無は分類が難しく何もできずに死んだような部隊です。

バランス調整は《ミルハウス・マナストーム》の弱体化のみだったので環境の変化はそれほどなく、依然としてハイペースなゲーム展開(特定のミニオンを探すのが難しいので酒場グレードを上げるのを優先するため、戦闘でのダメージが大きい)です。

勝率53%の137戦

全体の勝率は60%程度のときが多いですが、4月20日以降の137戦では53%と低く、8位を多く取っています。《ミルハウス・マナストーム》弱体化前の環境と同じ方針でプレイした結果です。

「無」に分類されている負けゲームが多く、何もできずに死ぬことが多かったです。それを免れて終盤まで生き残って良い部隊を組めたように見えたゲームでも、他のプレイヤーがそれ以上に強く上位(1位か2位)を取れないことが多かったです。

特に下位で多かったのは、ヒーロー《ピラマッド》や《菌術師フラァグル》でマーロック部隊を組んだゲームです。勝ちを狙ってバリューを重視しすぎた結果、中盤で体力を削られすぎて耐えきれませんでした。

勝率74%の68戦

勝率が低い137戦のあとの直近68戦は、勝率が74%と高く下位を取りにくくなりました。最初の137戦とその後の68戦の違いは、アーキタイプに対する価値観とプレイ中の意識が変化したことです。

アーキタイプに対する価値観:メカを高く評価

勝ちやすく使用頻度の高いアーキタイプは、メカ(「聖なる盾」軸)28%、ドラゴン18%、混成16%です。この割合にあまり変化はありません。ただ価値観は変わり、メカ(「聖なる盾」軸)を高く評価するようになりました。勝率が低い時は、前環境から引き続き混成とドラゴンを意識してそれらを高く評価していました。勝率が高い時はそれに加えてメカをより強く意識しています。

メカ(「聖なる盾」軸)の良さは、下位を回避しやすい早熟型の安定感を持ちながら、そこから1位を取れるレベルの強さにまで達せられることです(この伸びた時の強さを以前は過少評価していました)。メカを組むときは、引きが良くない有利ではない展開で、酒場グレード4に留まって耐え凌ぎそこからうまくいけば上位に入るパターンが多いです。

混成やドラゴンは、引きが良かったり序盤から盤面が強かったりして、そこから酒場グレードを先行して上げる有利な展開から進んで上位を取ることが多いです。引きが良い時や余裕がある時に自然に進みます。

メカ部隊

メカ部隊には2つのフェイズがあります。

酒場グレード4に留まって盤面を強化するフェイズ

1つ目は、酒場グレード4に留まって「聖なる盾」関連のパーツを揃えて盤面を強くするフェイズ。《ハジキロボ》とそのバックアップ、《ドラコニッド・エンフォーサー》《ボルヴァー・ドラゴンフレイム》などのシナジーするパーツを集めて完成度を高めます。このフェイズは、酒場グレードを5に上げずに盤面の強化に多くのコインを使えるので、酒場グレード5に上げているプレイヤーに負けにくく、負けるとしても大敗しにくいです。なので下位を回避しやすい安定感があります。反面、《鯖きの聖者》が手に入らなければ上位を取るパワーレベルまでは到達しにくいです。

《鯖きの聖者》を入手するフェイズ

2つ目は、トリプルを組むタイミングで酒場グレード5に上げてグレード6の《鯖きの聖者》を入手するフェイズ。《鯖きの聖者》は1体手に入れば十分1位を取れる強さとなり、上位のアーキタイプであるドラゴンやマーロックも倒し得ます。2体手に入れば凄まじい強さになります

「猛毒」を付与した《鯖きの聖者》がいれば、それをバックアップする「聖なる盾」ミニオンは、相手のどんなに巨大なミニオンともトレードできる強さに匹敵するようになります。つまり、買ったばかりの《ブロンズの番兵》が多くのリソースを注いで育てられたミニオン2体分を倒す強さとなるんです。

《鯖きの聖者》が2体いれば、「聖なる盾」ミニオンをより多く並べることが最優先となり、それまで育ててきたそれ以外のミニオンは必要なくなったりします。《鯖きの聖者》+「聖なる盾」のコンボ以上に強いミニオンはほとんどいませんから。

グレード4に留まるフェイズでは下位を回避しやすいリスクの低い安定感を持ち、《鯖きの聖者》を手に入れるフェイズになると引きが良かったりリスクを背負ったりして組んでいるようなドラゴンやマーロックも倒し得る強さに成長します。この2つを使えれば、引きが良くないゲームでも下位を回避したり、上位に滑り込めたりするので勝率が安定します。

獣部隊

意識はしていませんでしたが少し獣部隊の割合も増えました(12%→16%)。中盤の方向性が見えておらずとりあえず強い盤面を作る段階で《群れのリーダー》を加えておくと、その後に《サバンナ・ハイメイン》が来たりして方向性を与えてくれたりします。獣と相性の良いヒーローで組むことが多いです。

  • 《エドウィン・ヴァンクリーフ》は序盤で《ネズミ軍団》を育てる動きが強いのでそこから獣部隊に流れやすいです。
  • 《エリーズ・スターシーカー》は酒場グレードを上げるターンに即座にキーミニオン《巨狼ゴルドリン》や《母熊》を探せるので信頼性が高く、安心して獣部隊に進めます。他のヒーローでは特定のミニオン群を探すのが難しい環境なのでなかなか獣部隊に振り切れず、混成に流れがちです。

プレイ中に意識すると良いこと

やりたいこと、やる必要があることに意識を向ける

「やりたいこと、やる必要があること」に意識を向けるのが重要です。そこを起点にして考えると判断がしやすいですし、それは勝つため・生き残るために必要なことで、かつ集中力を必要とすることだからです。

つまり

そのミニオンは買うに値するのか、それは自分の命を繋ぐのに十分な働きをするのか。

という取捨選択・値踏みに対する意識や、

この程度の動きで妥協してはダメだからリロール、この程度なら買っても良い。

などといったボーダーライン。

そのボーダーラインは、ゲームの時間帯や他のプレイヤーの強さによって変わってきますので経験からくる直感で判断します。過去のうまくいったこと、うまくいかなかったことを思い出したり感じたりしながらの判断です。そこが際どく難しいので、集中力を必要とします。

使えるコインから逆算して、コインの使用効率やそのターンに「できること」を把握することも必要ですが、それは最も重要なことではありません。

1つの判断材料であって主題ではないんです。計算速度の速さによりますが、そちらに意識を使いすぎて必要な動きについて考えることが疎かになってはいけません。例えば、服を買おうとして買える服を全部見ようとすると数が多すぎて効率が悪くなりますし先に欲しい服をイメージして選択肢を絞る方が判断しやすいですしそれが大事なのと同じです。

方向性を早い段階からイメージする

中盤までは、アーキタイプを決め打つのではなく盤面が強くなるミニオンを買っていき酒場グレード4まで順調に上げるのが基本です。ただその時に「この部隊はどういった方向性に進みそうか」というイメージはしておく方が良いです。「進みそうな方向性」が少しでもあればそのパーツの価値は高まり、ほんの少し「盤面の強さ」を犠牲にしてでも「進みそうな方向性」のパーツを買って良い場面はありますから。

方向性がなく、かつ盤面が弱い状態というのは「詰んでいる状態」に近いです。方向性がなければ、酒場グレード4でリロールしても欲しいミニオンがないため発展はあまり見込めません。したがって酒場グレード5に上げて、軸になるもしくは強いミニオンを探すしかありません。そうすると盤面が弱いので戦闘で大ダメージを受けることになり、下位に沈みやすいです。八方塞がりです。そういった事態にならないように、方向性をなるべく早く見つけることが重要なんです。全く方向性を意識していないところからいきなり方向性を探そうとするのは大変です。

テンポを重視してリスクを減らす

勝率が高い時は、テンポ、つまりその場その場での盤面の強さや戦闘で勝つことを重視しています。酒場グレードを他の人よりも先行して上げるようなことをあまりしません。厳密に言えば、盤面が十分に強ければ先行して酒場グレードを上げますが、「盤面が十分に強い」の判断基準が厳しく、際どければ酒場グレードを上げずに盤面を強化することが多いんです。用心深くリスクを回避する傾向が強いです。特にヒーロー《希望の終焉ヨグ=サロン》や《大悪党ラファーム》を使っているときなど。本当に盤面が強ければ、ためらいなく酒場グレードを先行して上げるので迷いません。またトリプルを組むタイミングでも、無理にグレード5や6を「発見」したりせずにグレード3や4を「発見」するといった具合です。

なぜそうするかというと、バリューを得るのはテンポを重視して安全を確保した後でも良いからです。

つまりテンポを重視して盤面を強くして戦闘で勝ちさえすれば、死ぬまでの猶予が生まれます。そうすれば安全に酒場グレードを上げて勝ち筋(バリュー)を探せますし、より多くリロールできてより多くミニオンを買えるんです。わざわざ危険を犯して「先に」勝ち筋を手に入れようとして失敗すれば下位になるのでなるべく避けます。

勝率が低い時は、バリューを重視して酒場グレードを早めに積極的に上げる傾向がありました。先に勝ち筋を掴もうとする対償として安全を他のプレイヤーに取られ、大きく体力が減る展開はリスキーです。うまくいけば1位になるかもしれませんが、バリューを活かすのが間に合わなかったりバリューが得られなかったりすると体力が持たずに下位になりますから。引きの良いどうしようもない相手とマッチする可能性はありますし、《ダンシン・ダリル》のような終盤になるまで勝ちにくい相手も存在するので、体力が減るのはリスキーなんです。