時間切れになりやすい状況を認識して、それを避ける方法

テクニック

時間切れはほとんどのミスの原因で、これを減らすための方法を紹介します。時間切れになりやすい状況を覚えておいて、そういう状況であると認識してターン開始と同時にギアを変えて動けるように準備しておくことが特に重要なので、そういった状況をまとめます。

時間切れを減らすことの重要性

ミスのほとんどは、制限時間に間に合わず、行いたいプレイをまともに行い切れない時間切れが原因です。時間に追われると考える時間が不足し、パニック状態になって直観による手当たり次第の乱雑なプレイになります。そこで1秒でも、数秒でも余裕があれば精度は上がります。作業の多くはほんの少し正常に脳を機能させれば処理できることで、後で振り返れば簡単なことばかり。そこに全く時間の余裕がないからエラーが出ます。

ゲーム中、判断やミスのポイントが大体7つぐらいあります。それで1つミスをするごとに順位が1つ落ちるような感じ。小さなミスによって余計にダメージを受けた、もしくは与えられなかった、ということが後になって順位に影響します。

処理を速くすることで、時間切れによる大きなミスを減らす

時間切れになりやすい状況では、ターンの最初からギアを上げて少し雑に速くプレイします。どんどんカードとゴールドを使います。そうすると精度は落ちて小さなミスは出ますが、代わりに時間切れになりにくくなります。そうやって、ターンの最後にひどく雑になって大きなミスをするよりも、ターン全体的に軽く雑にして小さなミスで済ませるようにするんです。

速くプレイすると、リロールした先に出たミニオン次第でプレイの順番が間違いになったりします。そうすると細かいスタッツを損したりしますが、あまり細かいことは気にしません。

小さなミスの例
  • 《茶人シオター》でバフをかける前に盤面にバフしたいミニオンを配置しておくのを忘れる。
  • 《茶人シオター》を配置するよりも先に無種族のミニオンを配置する。
  • 《茶人シオター》でバフしたくないミニオンを売っておくのを忘れる。
大きなミスの例
  • ターンの最後に《マンティッドの女王》を配置できない。
  • 相手の《マンティッドの女王》対策の「聖なる盾」剥がし要員を配置し忘れる。
  • ターン終了間際に「発見」して、盤面のミニオンをトリプルして手札に戻してしまう。

スピード重視だと反省してレベルアップしやすい

まず精度よりも制限時間内に終わらせるスピードを重視します(それくらいスピード重視でも時間切れになってしまいます)。というのも、精度を重視して頻繁に時間切れを繰り返していると、うまく反省できずに上達しないからです。

今回も間に合わなかった。今度はもっと速くプレイしよう。

という毎回同じ漠然とした反省になって、実際に改善できません。毎回敗因は時間切れです。だから先にお尻を合わせて細かいミスをしましょう。そうすればもっと具体的にダメだったところを反省できます。先ほどの《茶人シオター》の例だとそういうミスがあり得るのだと分かるので、それを避けるように修正して精度を高められるわけです。

ちなみに制限時間に余裕があるからといって、プレイの速度を落とす必要はあまりありません。そうやって制限時間ちょうどあたりにプレイが完了するようにペースを調整するのはあまり良くないです。というのも、終了間際のリロール次第では予想外にまだまだ回り出すようなこともあるからです。例えば、《原始フィンの見張り番》と《タッド》がループしたり。だから制限時間に余裕があっても油断できません。

それで全てが終わってから30~40秒余れば理想的で、それでゆっくり対戦相手を見ながら配置を考えられます。それほどでなくても全てが完了してから3秒でも5秒でも少しの余裕・余白が必要で、それがないと相手や配置の確認ができません。完了は早いほど良いです、それで予想外のときに対応できますし。

ちょっと速すぎ?

ぐらいでちょうどです。

時間切れになりやすい状況

危ない状況を覚えておいて、そのターンや次のターンは危険そうだと認識できると、雇用フェイズが始まった段階からエンジンを全開にできます。そういう時はいつもより軽いミスをするのを気にせず雑に速くプレイします。まず危険な状況を認識するのが大切。戦闘フェイズは暇なのでそこで認識しておきます。それが分かれば、次のターンに切り捨てるミニオンやどういう方向性に進みそうかなどを考えて、次のターンの動きをイメージし準備しておきます。

これらの状況が重なれば重なるほど、時間は不足します。

10・11ゴールド目あたりの、シフトするターン

シフトというのは、方向性がまだ決まっていない盤面から、それを大体決めて盤面を一気に入れ替えることです。

既にある方向性から別の方向性に変化するピボットでも、時間は不足します。

9ゴールドあたりまでは簡単

とりあえず盤面を埋めたり、ペアを取ったり、グレードを上げたりするセットアップの段階。そこには最終盤面には残らないような一時的なミニオンが多くいます。使えるゴールドが少ないのでそこまで選択肢は多くなくて難しくありません。

10・11ゴールド目が最も難易度が高く、かつ重要

トリプルを組んだりして方向性を「発見」してそれを決めます。溜め込んでいたリソースを吐き出して高グレードを収穫し、無駄なミニオンを刈り取って盤面を綺麗に剪定するターン。

  • ペアがある。
  • グレードは上がっている。
  • 方向性は決まっていない。
  • 盤面は弱い。
こんな感じの状態。11ゴールド目でグレード6の状態です。このターンは一気に動いて強くならないといけないターンです。

ここでは使えるゴールドの総量が多いです。手札があったりしますし、盤面は埋まっていてゴールドは10ゴールドですからね。それでかつグレード上げが既に終わっているなら、大きなアクションがなくてたくさん売り買いを進めるわけで、実際に使うゴールドの量が多いです。売るとゴールドが増えますし。いらないミニオンを大量に売ったり、トリプルから「発見」したりとアクションも多いです。

さらに、方向性を決める判断はエネルギーを必要として難しく、かつ重要です。間に合っていない方向性を取ると負けますし。例えば、間に合っているか際どい《茶人シオター》かテンポのある《フェルストンパー》かどちらにするかという判断など。そこでは現在の盤面・体力・将来性・テンポの維持などを複合的に考える必要があります。だからそれを決めるには多くの注意と時間を要します。

そういったアクションの多さと重要性の割に、制限時間は90秒ぐらいと短いです。このシフトするターンより前と後は、難易度と重要性がぐっと落ちます。このターンにそれらが凝縮されています。ゲームで重要なポイントは全体的にフラットにちりばめられているというよりは、その一点に過剰に負担がかかっています。ここをいかにうまく処理できるかは順位に強く影響します。

12ゴールド目以降

それ以降は決めた方向性を進めて盤面を成長させていく段階に入ります。やることをやるだけでオートマチックな部分があり、その割に制限時間は100~120秒と長いので難易度は落ちます。ここまでいくと順位はある程度既に決まっています。それ以降に良い方向性を得ても間に合わなかったりして、既にあるもので頑張るのみという状況になりやすいです。

シフトするターンは、遅いと12ゴールド目になることもあります。

最終盤のテックカードを使うターン

決勝戦などの最終盤では、相手に対応してテックカードを使ったり、配置を改善したりします。そういうターンでは、まず相手を観察して先を読むのに注意を要します。それで必要な動きを理解してから、多くのリロールをして目当てのミニオンを探し、最後に配置を修正します。最初に考える必要があるせいで時間配分がしにくくなって、ギリギリになりやすいです。

ピンチのとき

体力が大きく減って死ぬかもしれない状況では、死なないように念を入れてテンポを強めに出す必要が出てそれに注意を要します。だから通常のプレイよりも処理が多く、マルチタスクっぽくなって難易度が上がります。特に時間帯的にシフトするターンと被ることが多く、そうなると大変です。

引きが悪かったり当たりが悪かったりするとプレッシャーを感じたりして、通常よりも集中しにくいかもしれません。そういう状況でこそ難しい問題が出て、高いスキルと集中が必要です。そういうターンは繊細で、ちょっとしたところで8位を取るか粘れるかが決まって実力が出ます。逆に、引きが悪くなくて難しい処理もこなせる普通の状況では、そういう問題はあまり出ません。

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ゴールドがたくさんあるとき

ホガァァァ船長

《商大公ガリーウィックス》《ホガァァァ船長》などでゴールドが多くある場合。ゴールドの使い先を迷っている猶予はあまりありません。迷うぐらいならどちらでもそれほど悪くはないので、時間切れになって腐らせないことを意識して、多少微妙でも買ったり、思い切って飛ばしたりします。

悩ませるほどの選択は、どちらを選んでもそれほど大きな問題にはなりません。それよりも正常に処理すれば間違えようがないような判断でエラーが出ないように、制限時間に余裕を持たせるためにスピード重視です。

手札がたくさんあるとき

手札がパンパンだと処理量が多くなるからだけではなく、初動が遅れることによって時間が不足します。その見た目と量に圧倒されて、ひるんでしまうんです。どこから手を付けたらいいか分かりにくくて、あたふたしてしまうんですね。

そういうときは、まずゴミ掃除から始める手札の整理が必要です。いらないミニオンを売ったり、明らかに使うバフを先に使ったりします。例えば、《グロースケイル》の「呪文錬成」を最も大きなミニオンに使ったり。そうやって手札が減ればすっきりして考えやすくなります。その後は、処理が簡単ではない、判断を必要とするカードのみが残ります。その時、売れるものは既に売っていて使えるゴールドが明らかになっているので、より考えやすいです。

ゴールドや手札が多くあって混乱するときは、まずそれらを使って選択肢を減らしましょう。一気に止まらずにやって、手を止めて考えるのはそれらがほとんど尽きて、残りワンアクションやツーアクション、ワンリロールが残っているような状態まで進んでからです。残り3ゴールドなど。

「呪文錬成」

これが多いと手札がパンパンになりやすいです。さらに待機していたりもして、使っても使っても手札が満タンの状態が続いたりします。

《血の宝石》

手札を圧迫しますし、オーバードローにならないよう注意するのに意識を取られます。「血の宝石」を生み出したり使ったりするのにアニメーションと操作が必要になります。

《リサイクル・レイス》がいるとき

時間不足の大きな原因になるミニオン。ワンリロールごとにエレメンタルを先に置く作業が必要で、かつアニメーションが長いからです。ワンアクションごとに1~2秒余計に時間がかかり、全体として大量の時間を消費します。これがいたら要注意で速くプレイして、それでも時間が不足しそうなら最大バリューを出すのは諦めます。無料リロールを失うのが分かっていても手札のエレメンタルをどんどん出してテンポに変換しないと死んでしまうときもありますから。

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