FOCUS IZALCO MAX 2016 AG2Rモデル インプレ

ロードバイク

FOCUSのハイエンドロードバイク、IZALCO MAXのインプレです。現在はディスクモデルが出ていてその1世代前のものですが、UCIワールドチームのAG2Rが使用していたフラッグシップモデルで、現在もTEAM MATRIX POWERTAGなどが使用しています。12000kmほど走ってこのバイクの特徴が分かったので詳しく紹介します。

FOCUSとはどういうメーカー?

ドイツの割と新しいロードバイクメーカーです。1992年にシクロクロス世界チャンピオンのマイク・クルーゲが立ち上げて、ロードの製造を開始したのは2003年頃からです。レースで勝てる自転車を作ることをモットーとしていて、多くのプロチームに採用されています。2016年のツール・ド・フランスではIZALCO MAXに使用してAG2Rのロマン・バルデが総合2位になったりもしました。

デザインとしては、ドイツらしい質実剛健な感じが出ていて、シンプルで飾り気はありません。ピナレロなんかとは真逆ですね。日本ではグローブライド社が輸入販売しています。

購入した経緯

信頼するロードバイクの専門店でおすすめされて、デザインも気に入ったので購入しました。特にAG2Rの抜けるような青色に惹かれました、ロードバイクでは珍しい明るいファンシーな色でライドに出る時に明るい気分になれそうでしたから。住んでいる伊豆は険しい山が多く、平坦がほとんどありません。また、初心者ですしクリテリウムのようなレース志向ではありません。そんなわけで、流行のエアロロードではなく、ヒルクライム・ロングライド(ロードレース)向きの普通のバイクを選択しました。

FOCUS IZALCO MAX 2016 AG2Rモデル
コンポーネント:SHIMANO ULTEGRA R8000
ホイール:MAVIC KSYRIUM ELITE UST(チューブレス)

シンプルデザインと攻撃的なジオメトリ

無駄のないシンプルなデザイン、ミニマリズムに憧れている人にはおすすめです。逆におしゃれで個性的なデザインが好きな人には、少し物足りないかもしれません。トップチューブはほぼホリゾンタル(少しスローピング)で、昔からのクラシカルなロードバイクらしい形状です。速く快適に走ることだけを追求したロードバイクの造形美を感じられます。

ジオメトリは、ハイエンドのバイクだからかプロ選手向けのような前傾が強くなる設計になっています。調整にもよりますが、自然とハンドルが遠く低くなります。前傾姿勢は慣れると苦しくないですし、そちらの方が速く走れるので良いです、初心者でも問題ありません。平坦でエアロフォームを取る時にうまく前傾できないのはストレスですからね。その代わりにヒルクライムなどではフラットバーを握ったりします。

シートステーはかなり細いです。
チェーンステーはクランクに近い部分はかなり太めになっています。シャチの体を彷彿させる作りで、力が伝わりそうな形状です。裏側にも何気にFOCUSのロゴがあります。
トップチューブはやや横に平べったい形状で、シートポストに近づくにつれて細くなっています。
フロントフォークの裏側にもFOCUSのロゴデザイン。

軽く、ヒルクライム寄りのオールラウンダー

重さはフレームが750g、フォークが300gで、合わせて約1kg程度という驚異的な軽さです。持ち上げるとプラスチックのおもちゃのような感覚です。この軽さが高い剛性も相まって特に山で強力です。勾配10%・獲得標高600mほどの山をよく登るのですが、ストレスがなく気持ち良く登っていけるのでヒルクライムが楽しいです。ダンシングも問題なく行えます。険しい山が多くある伊豆で、このバイクを選んで良かったと感じさせてくれる登りの強さです。

かといって平坦で遅いというわけでもなく、40km/h以上のスピードを出していても気持ち良く走れます。このバイクの特徴として、走り出しが遅くスピードに乗るまでが大変ですが、走り出すとぐんぐんスピードが上がって苦労せずにそのスピードを保つことができます。具体的には30km/hくらいから35km/hくらいまでスピードを上げる時が辛く、そこから先は自動的に進んでスピードアップもできるような感覚です。

このようにヒルクライムで特に強いですが、平坦でも高速で走れるオールラウンダーです。200km近くの長丁場のレースで強靭な足を持つプロロードレーサーが使っていたのも頷ける性能です。強い足を持っていればそれに応えるポテンシャルを持っています。

高い剛性にも関わらず、乗り心地は柔らかくしなやか

剛性は高いとされています。このバイクに乗ると剛性とは何かがはっきりと理解できます。力が分散せず1点に集中して、硬い石のようになって進んで行くんです。ペダルを通して伝える力が、全く無駄にならずに推進力に変わっている感覚です。硬いバイクは足にダメージがきたりするらしいですが普段から乗っているとそんなことはありません。ただ、しばらく乗らずに久々に乗ったりすると「硬い・・・重い石臼のようだ!」と感じたりはします。トレーニングをしっかりしている人向けかもしれません。

そんな高い剛性にも関わらず、乗り心地が最高に良いです。これがこのバイクで一番気に入っているポイントです(使用しているMAVICのホイールの影響もあります)。柔らかくしなやかで、優しく包み込んでくれているようです。凸凹道を走っても手首やお尻にくる衝撃が少なくてストレスがありません。綺麗な道を走っていても体に伝わって来る乗り心地が良すぎてうっとりしてしまうほどです。まさに高級車の趣向品です。乗っているだけで楽しいので、自然とライドに出たくなります。

ワイヤー外装式のメンテナンス性は微妙

ワイヤー式で外装になっていて、ワイヤーが外にむき出しになっています。これはワイヤー交換が楽でメンテナンス性が良いとされていますが、そうとも限りません。というのもワイヤー交換よりも毎回ライドの後に行う拭き掃除の頻度の方が圧倒的に多くて、その拭き掃除がワイヤー外装だとかなり面倒だからです。特にダウンチューブの下側は汚れが多くつくところですが、そこをウエスで拭く時にワイヤーの下を通さないと拭けず、時間がかかるので毎回ストレスです。