タスクキル等アンフェアな制限時間の問題点と解決策【ハースストーン バトルグラウンド】

その他

バトルグラウンドでは制限時間がサーバー側ではなくプレイヤーのデバイス側で管理されているため、様々なアンフェアなことが起こります。最も顕著なのがタスクキル。この仕様の問題点・悪影響・解決策について書きます。

仕様の問題点

時間は、重要なリソースで勝負の要

雇用フェイズでは常に時間が不足しがちです。このゲームではいかにタイムアウトしないかがテーマの1つで、判断や操作の速さと時間配分はそのプレイヤーの実力です。「あと1、2秒でもあれば判断を間違わなかった、操作を完了できた。」ということはよくあります。例えば制限時間ギリギリの最後のリロールでトリプルが見つかった場合など。普通にやれば間違わないような簡単な問題を制限時間のせいで落としてしまいます。

時間は、プレイヤーのデバイス側で管理されている

サーバー側で管理されていて8人のプレイヤーが同期されるのは戦闘フェイズに入るタイミングのみです。その後、それぞれのプレイヤーはデバイスの戦闘アニメーション処理が完了次第、順次雇用フェイズに入ります。このように雇用フェイズに入るタイミングはサーバー側ではなく、プレイヤーそれぞれのデバイス側で管理されています。だからプレイヤーによって制限時間にばらつきが出ます

時間という重要なリソースがプレイ環境によって変化します。これはアンフェアでゲームとして壊れています。この仕様はバトルグラウンドがリリースされて以降ずっと同じです(それ以前にアニメーションを個々のデバイスで処理するのはハースストーン自体の仕様です)。

タスクキル、《カドガー》《ホガァァァ船長》などはゲームのアンフェアな部分を明らかにしているだけ

ホガァァァ船長

タスクキルや《カドガー》とトークンミニオンを使ったコンボ、《ホガァァァ船長》で大量の海賊を売り買いするプレイといった時間に関係する操作は、よく問題視されます。ただこれら自体は問題の根っこではありませんそれらがなくても、もともと仕様としてアンフェアです。それらはアンフェアな部分を分かりやすく見える形で表しているだけです。ですのでこれらを削除しても問題は解決しません。

その他にも様々なアンフェアなプレイがあります。再接続を行うことでデバイスの処理を更新できるので、それでゲーム内のスコアボードを更新したり、戦闘フェイズに限らず雇用フェイズ中でもアニメーションを好きなタイミングでスキップしたりできます。

  • 雇用フェイズ中に再接続をしてスコアボードを更新し、相手が配置しているミニオンの種族を確認する。ヒーロー《大悪党ラファーム》や《ロード・バロフ》であれば有効。
  • 他のプレイヤーよりも早く雇用フェイズに入って、誰にも買われていない新鮮な酒場プールを漁る。
  • 他のプレイヤーよりも早く雇用フェイズに入って、より早く「ダークムーンフェアの景品」を開封する。《アイスブロック》や《大当たり》から《アイスブロック》を狙う。
入手できるのは1人だけです。

問題点による悪影響

タスクキルをしなければフェアなゲームをできない

仕様の問題が引き起こすアンフェア(ゲーム外からアドバンテージを得られる状態)の中で、最も影響度が大きいのは戦闘フェイズ前のタスクキルです。1〜2秒でも重要な時間を、タスクキルを使えば20秒〜30秒増やせるので大きなアドバンテージです。同じ実力のプレイヤー同士で一方のリソースが多い状態で200戦300戦行えば、当然多い方が勝ちます。なのでタスクキルをするプレイヤーがいる環境でタスクキルをせずに戦うというのは、敗北宣言をしているのと同じです。

タスクキルをするプレイヤーは一方的なアンフェアを受けないために仕様に適応しているだけで、悪いのはゲームの仕様です。プレイヤーはゲームをしたくてプレイしているだけなのに、特にやりたくはない再接続という行為を繰返さなければなりません

特に現環境で最も1位を取りやすいのは《カドガー》とトークンミニオンのコンボです。その一番強い動きが、どれだけ素早くタスクキルできるかで完成度に違いが出ます。つまり時間さえあれば、リロールしてトークンミニオンを探してより多くのトリプルを組めます。時間がないからそれができず仕方なく酒場グレードを上げたりしてコインを無理に使い切るわけです。

ゲーム内容を反省しにくく集中できない

敗因になるようなミスプレイのほとんどは時間不足によって起こります。その場合、どうすれば時間内にプレイできたかを反省します。例えば「雇用フェイズの最初の段階の選択で悩みすぎた。適当に決断して時間を後に残せば良かった。」などと反省してレベルアップしていきます。

ただ仕様の問題がある以上、「もっとタスクキルをしていれば問題なかったかもしれない。」とそちらの方向でも考えます。こんな風にゲームの反省がゲーム内で完結しません。敗北の原因を自分だけではなく外側にも探そうとするので、ゲームだけに集中できません。「自分のせいではなくプレイ環境が悪いせいで負けた。」そんな風に考えると真剣に反省しないのでレベルアップできず実力も鈍ります。

解決策

プレイヤーによってリソースが異なるのはアンフェアな状態。それが原因でプレイヤーはゲーム外でアドバンテージを得る努力をしています。これは本来チートに該当する行為で健全ではありませんし、健全ではないゲームはプレイする価値が減ります。Blizzardは本来面白いバトルグラウンドというゲームをより価値あるものにしたいならフェアに改善すべきです。

サーバー側で時間を管理する

これが間違いのない解決方法。同じジャンルの「Auto Chess」や「Teamfight Tactics」といったタイトルでは雇用フェイズと戦闘フェイズの時間がサーバー側で管理されています(雇用フェイズ30秒、戦闘フェイズ60秒で固定のように)。ですので再接続をしても制限時間を増やせません。

接続が切れたプレイヤーを敗北にする

再接続を受け付けなくして、タスクキルを不可能にします。ただこれでも各プレイヤーのデバイスによって制限時間にばらつきが出る問題は変わらないので根本的に解決しません。

制限時間があまり問題にならない環境にする

多くの時間を必要とする《カドガー》コンボや、時間が多いほど強くなる《ホガァァァ船長》のようなカードをなくして、雇用フェイズの時間に余裕を持たせることでタスクキルをする必要性をなくします。ただし根本的には解決せず緩和するだけです。アンフェアな仕様が引き起こす問題はタスクキルだけではありませんし、結局タスクキルをすれば制限時間を増やせるからです。

バトルグラウンドの初期にタスクキルの問題が大きくなかったのは、今ほど雇用フェイズの時間が厳しい環境ではなかったからです。それ以降、時間が問題になるカードが多く追加されて現状のようなタスクキルが重要な環境になりました。

環境を整えることでタスクキルがなくなる例としては、スタンダードなどの構築フォーマットです。こちらでもタスクキルはできますが、それをやるプレイヤーはいません。なぜならアニメーションの処理時間が問題になる環境ではないからです。それが問題になればタスクキルを行うメリットが生まれます。例えば、以前《シャダウォック》コンボというアニメーションがとても長いデッキがあり、その時はタスクキルを行うプレイヤーはいました。このようにバトルグラウンドでも、時間を長く消費するカードをなくすことでタスクキルのメリットを減らせます。