扱いが難しいヒーロー《ダンシン・ダリル》の解説です。他のヒーローとは操作感が大きく異なり、使い手の計算処理能力の影響を大きく受けます。正確に状況判断をするために部隊の強さを正しく評価して危険を察知する感覚も必要です。毎回同じような盤面を作れるので下位を取りにくい安定感が強みです。酒場のミニオンの引き次第では「踊らない」こともありますが、この記事ではヒーローパワーを最大に活用する「踊る」プレイについて主に書きます。
能力の使い方
ヒーローパワー:ハットトリック 常動型
自分がミニオンを売った後、ボブの酒場のランダムなミニオン2体に+1/+1を付与する。
※正確には、ランダムなミニオンを対象に+1/+1バフする「帽子」を酒場に2回投げます。
ヒーローパワー《ハットトリック》でミニオンを売った時に2つ投げる+1/+1バフの帽子はランダムに飛んでいくので、普通に使っては目当てのミニオンをバフできません。なので、
- 酒場にいるバフしたいミニオン以外のミニオンを先に全て買う(帽子がそれに飛ばないように)。
- その後で一気に手札に貯めたミニオンを売って、目当てのミニオンに集中的に帽子を飛ばす。
- 最後にその目当てのミニオンを買う。
といった手順を行います。これが《ダンシン・ダリル》のミニオンの育て方です。普通のヒーローであれば、強化するミニオンを買い、それにバフミニオンを使って育てるので随分違いますね。これで早い段階から巨大なミニオン複数という盤面を毎回安定して作れることが特徴です。逆に《ダンシン・ダリル》と対戦するときは、巨大なミニオンにアタッカーが有利トレードをされないよう、弱いミニオンからぶつけていく方が被害が少ないときもあります。
盤面と手札の全てのミニオンが、ミニオンをバフするためのリソースです。それらはいつでも売って+2/+2バフに変えられます。いらないミニオンを買って売る場合、3コイン支払って1コインで売れるので2コイン消費します、したがって2コインで+2/+2バフ。+1/+1バフの相場は1コインですので相場と同じです。つまり《ダンシン・ダリル》は酒場の全てのミニオンをバフミニオンとして扱えるんです。
注意点として、酒場グレードが高くなると酒場に並ぶミニオンの数が多くなり「先にバフしたいミニオン以外のミニオンを全て買う」ことが難しくなって、狙ったミニオンだけに帽子を飛ばせなくなります。一度に買い占められるのは9コイン支払って3体なので、5体以上並ぶグレード4以降になると踊りにくくなります。なので酒場グレードを極力上げない場合もあります。酒場グレードごとの並ぶミニオンの数は、
- 酒場グレード1・・・3体
- 酒場グレード2、3・・・4体
- 酒場グレード4、5・・・5体
- 酒場グレード6・・・6体
扱うミニオン
踊る効率を高めるミニオン
トークンミニオンは2回分売れるので、1コイン消費して+4/+4のバフになります。強力なバフとして使えるので、踊る対象を探しているリロールの途中に見かけたら積極的に買い集めます。ただし終盤になってトークンを出す分の2つのスペースを空けられないなら買う必要はありません。
《花形選手》も相性が良いです。大量に買い占めるミニオンの中に「雄叫び」が多少は混ざるので、勝手に大きく育って戦力になります。
踊る対象として良いミニオン
グレード1〜2
《有徳の守護者》は貴重な「聖なる盾」を持っています。基本的にはグレード3〜4の優秀なミニオンで踊りたいので他のヒーローの時と同じペースで酒場グレードを上げます。なので通常はこのミニオンで踊りません。ただし1〜2ターン目で連続してトークンミニオンを買える場合、2ターン目に酒場グレードを2に上げずにトークンミニオンを買い、このミニオンを探して踊ると強いです。10/10〜14/14程度のサイズになりしばらく戦闘で負けません。こうして盤面を安定させてから酒場グレードを上げます。
《ネズミ軍団》も早い段階で踊れると強いです。ただし中盤以降は力不足となりスペース的に邪魔になるかもしれません。
それ以外の場合だと《動物園ロボ》のような適当なメカでとりあえず踊るのもありです。後々《マジウザ・オ・モジュール》で「聖なる盾」を付与して長く使えるポテンシャルがありますから。
6〜7コインのターン(4〜5ターン目)のあたりでは、酒場のミニオンを買い占めるコインが足りない(9コイン必要)のですが、2体バフしたいミニオンがいる時などは積極的に踊ると強いです。この段階で踊ると9/9程度のスタッツになって他を圧倒するサイズになり、しばらく戦闘で負けません。
グレード3
「聖なる盾」を持つ《ハジキロボ》《ブロンズの番兵》が優秀です。《自己増殖型メナス》は、踊った後に「聖なる盾」ミニオンに「超電磁」しないと微妙なので、最初に踊る対象として優秀なわけではありません。
グレード4
強烈な横薙ぎ攻撃を持つ《洞窟ヒドラ》は切り札となるミニオンで、酒場グレードを4に上げるのはこのミニオンを手に入れるためです。《マジウザ・オ・モジュール》や《ボルヴァー・ドラゴンフレイム》は「聖なる盾」を持っていて優秀。《警備ローバー》もサイズが大きくなればかなり強く、特に《ハジキロボ》がいるなら踊りたいミニオン。
このようにグレード4には踊る対象として優秀なミニオンが多いのでなるべく早くグレード4に上げます。グレード3までで特に踊りたいのは《ハジキロボ》と《ブロンズの番兵》だけなのでリロールしてもなかなか見つからない恐れがありますから。
テクニック
帽子を投げ終わった後のコインの数を調整する
帽子を投げ終わった時、その後バフしたミニオンを買ってちょうどコインを使い切れたり他の行動に繋げられたりすると無駄がありません。なので帽子を投げ終わる時のコインの量を調整してミニオンを売ります。
- 3コイン・・・バフしたミニオンを買う、それを配置する。
- 7コイン・・・バフしたミニオンを買う、1リロール、何か1体ミニオン買って配置する。盤面は5体になっている状態が理想、そうするとターン終了時に盤面が埋まります。
- 10コイン・・・バフしたミニオンを買う、1リロール、何か2体ミニオンを買って配置する。盤面が4体になっている状態が理想、そうするとターン終了時に盤面が埋まります。
もし10コインを超えるようだったり綺麗に調整できない場合は、酒場グレードを上げることでも調整できます。それでコインを腐らせずに消費できます。
基本的にはあまり売りすぎずに盤面が埋まる程度のミニオンを残して、盤面の合計スタッツが高くなるように、盤面の強さを維持する方が良いです。盤面が強くヒーローの体力を守れれば、後述する「貯める」余裕が生まれます。売らなかったミニオンは将来的にいつでも使えるリソースなので、急いで使い切らなくても腐りません。次の踊る対象のミニオンにも同じように帽子に変えられます。またバフしたいミニオンのサイズが少し不足していたとしても後々《自己増殖型メナス》《マジウザ・オ・モジュール》で踊ってそれを「超電磁」したりトリプルにしたりして必要ならアップデートできます。
踊るターンと貯めるターンを使い分ける
盤面と手札のミニオンはリソースですが、一旦踊るとそれを使い果たしてしまって次のターンは踊りにくくなります。大抵、踊った直後のターンは盤面が完全に埋まっていなかったり(5体程度)します。なので一旦盤面を埋めたり次の踊る対象を探たりする、踊らないターンを挟んでリソースを貯めて次のダンスに備えます。これの繰り返しです。
またバフしたいミニオンが見つかった時、そこで踊ったとしても中途半端なバフ量で活躍が見込めないサイズにしかならない場合もあります。そういう時は、「酒場のバフしたいミニオン以外のミニオンを買う」ところまでで作業を止めて売る作業をせずに酒場を凍結する「貯める」ターンにして、次のターンに最後まで踊り切ります。このように複数のターンをかけて踊ることで、十分なリソースを注ぎ込みます。
どれだけ「貯められる」かが《ダンシン・ダリル》の貪欲さです。体力が多ければ負けを覚悟して体力を支払ってより多く「貯める」選択肢が出てきます。ただし踊った後に10コインを超えると無駄が発生するので、連続で「貯める」のは2ターン程度が限度です。終盤にこういった余裕が生まれるように序盤はこまめに踊って戦闘で勝っていくと有利な展開を作りやすいです。逆に序盤から負けが多くなって体力が少なくなると「貯める」余裕がなくなり、弱い盤面しか作れずに追い込まれます。
踊るターンはとにかく急ぐ、そのために準備をしておく
帽子を投げるエフェクトは長く、「雄叫び」ミニオンであればそのエフェクトも入ったりして、制限時間が非常に厳しいです。特にターンを跨いで踊る場合は投げる帽子の量が多くなって操作が膨大になるので時間が不足しがちです。なのでそのターンは考えている暇はありません。止まらず操作し続けなければ、制限時間が足りなくなって操作しきれずコインを無駄にしてしまったりします。
なので「貯める」ターンや戦闘フェイズで、先に「帽子を投げ終わった後のコインの量」をいくつにするか、何体ミニオンを売るのか、などをカウントしておきます。踊るターンに考えていては時間が足りません。例えば、上の画像の盤面などは売れるミニオンが多くてカウントが大変ですね。
要注意なのが、カードゲームモードのような先行入力はできない点です。大量にミニオンを売ってその帽子のエフェクトが出ている状態で先行入力で目当てのミニオンを買って出そうとしても、帽子が吸い付いて手札から離れず配置できません。
終盤は、踊ることに拘らない
終盤になってくると酒場グレードが高くなって踊りにくくなりますし、盤面が強いミニオンで埋まってきて、踊って新たにミニオンを作って盤面をアップデートするのは難しくなったりします。踊るよりも既存のミニオンをバフする方が盤面が強くなるような状態や踊るために盤面を空けるとむしろ弱くなる状態です。生き残っているプレイヤーが少なると特定の対策ミニオンが必要になったりもします。そういう状況では「踊る」ことから離れて普通にプレイしましょう。
このように盤面をアップデートしにくくなるのが《ダンシン・ダリル》の特徴で、盤面の強さに限界がきがちです。中盤までは巨大なミニオンに敵が対処しにくいので強めですが、終盤になってくると強力なシナジーを持つ部隊には追い抜かれます。
とても強い(上の中)
部隊の方向性が定まりにくく即死することが多い環境では、少なくとも悪くない動きが保証されているこのヒーローは安全なピックです。求められる部隊の強さレベルが落ちているので、踊る対象として優秀な「聖なる盾」を持つミニオンが減って踊りにくくなっても適当なミニオンで踊るだけでそれなりに強いです。ただしプレイが難解でかつ独特なので、慣れが必要ではあります。