リスクを取らなければ高レートを維持できる【レート1位を取れるプレイスタイル】

テクニック

高レートを維持するにはリスクをなるべく減らすのが原則です。万が一の8位を避けるため、より安定していて最低限のリターンがある選択肢を積み重ねていくこと。言い換えれば序盤から終盤まで常にテンポ全開で動くことです。シーズン5の中頃に一時的にレート1位を取った時のプレイスタイルの一部です。高レートを目指したり維持したりするために、なぜリスクを取ってはいけないのか、リスクを取らないプレイとはどういったものなのかについて紹介します。

リスクを取ってはいけない理由

8位は許されないから

レートが高くなると、レーティングシステムは負けを強く評価します。勝って普通で大してレートは増えず、負けたらそれを上回る大きなマイナスで特に8位を許しません(1位で+70、2位で+40、8位で-120など、1位と2位を取って8位を打ち消せる程度)。簡単に1位は取れないので8位を取ればその日10戦プレイしたとしてその成果をほぼ打ち消すぐらいのマイナスです。と言ってもどんなに注意しても完全には8位を避けられないので、それでレートが停滞するわけです。高レートを維持している時の戦績は「1、2、3、3、3、4、4、6、6、8」といった内容で大体7勝3敗ぐらいで、勝ちと負けの順位の内容次第で増えたり減ったりするという感じです。

なので1位や2位をどれだけ取れるかよりも、8位をいかに取らないか・その用心深さ・警戒心の強さが大事でそれはそのままレートの高さと大体同じです(あとはプレイ時間の長さ)。もしかしたら8位になるかもしれない、そのリスクを少しでも削っていく作業です。ロッククライミングでずり落ちないように少しずつ足場を確かめながら登っていくイメージです(実際はたまに踏み外して一気に落ちる、また昇るの繰り返し)。

ひとたび瀕死になれば8位になり得るから

リスクを取って体力を削られて次負けたら死ぬ状態になった場合、つまり誰も死んでいない状態で体力が15以下になった場合、もはや8位を完全には避けられません。自分がどれほど強い部隊を組んだとしてもです。なぜならその状態で生き残るためには、

  • 自分の引きがひどくない
  • 相手が自分を上回るほど強い回りをしていない
  • 戦闘の当たり運がひどくない

この3つ全てを満たさないと生き残れないからです。どれもが90%だったとしても全てを満たす確率となると70%程度まで落ちます。30%で死んで8位になるんです。8位は万が一にも取ってはいけないのにひとたび体力が減るとそのリスクを冒します。そういう完勝か完敗のような極端な勝負をするのではなく、体力を高く保ってトップ4を確定させた後に終盤の取っ組み合いに持ち込んで勝負をするのが安定する良い戦い方です。そういう防御型の戦い方は、実際は高レートでは緩やかにレートは減っていきますがずっと減るわけではありません。常に耐え忍ぶ厳しいゲームばかりではなく、たまに相手がミスをしたり弱かったりする運が良いゲームもあるのでそこで勝ちを拾えます。

ダブルカレクゴスでもうちょっとで1位だったのに8位。当たり悪すぎ、今のは運が悪い。

いや、それは普通だよ。

実際は、単に良いプレイと悪いプレイがあるだけ

「リスクを冒しているけれどもハイリスクハイリターンでそのプレイは一長一短」といったことがあまりありません。上記の3つの条件を突破するのは実際は難しく大抵死ぬからです、ほとんど成就しません。リスクを冒してスコアが「1、1、1、2、2、3、5、7、7、8」のように良かったり悪かったりすることはなく、大体「3、3、4、5、5、6、6、7、7、8」のように単に悪いです。リスクを冒さないと単に良いです。リスクを冒さないのが常に良いプレイで、リスクを冒すのが常に悪いプレイです。

なぜそうなるかと言うと、リスクを冒した時にかなりの確率で負けるのに、リスクを冒していない時にだからと言って勝てないわけではないからです。粘って生き残った先に、「猛毒」「聖なる盾」軸ミラー戦などの取っ組み合いに持ち込めることがありますので。

そんなわけでリスクを取らない鉄壁のディフェンスが大事なんです。これが崩れると一気にレートは落ちます。

リスクを取らないプレイ

大まかな舵取りからプレイ1つ1つまで様々なリスクがありますが、迷ったらより安定している・最低限のメリットを得られる方を選ぶのが原則。

簡単には死なない安定したヒーローを選ぶ

ヒーロー選択はとても大切です。ヒーローを選んだ時点でかなりの部分のプレイは自動的に決まり、用心深くリスクを避けることが難しくなったりしますから。

オートパイロット型でかつ不安定なタイプには注意です。例えば《イセラ》《菌術師フラァグル》などはひとたび選べばその方向性に突き進むしかないので手の施しようはなくなります。オートパイロット型が悪いわけではないですがそれで不安定となると大きな問題です。

また引きに左右される不安定なヒーローにも注意です。トークンが1つBANされている《ジャンディス・バロフ》など。特定のミニオンを引ければ良く回るけれどもそうでないと困ったことになるのでは、リスクが大きいです。パワーレベルにもよりますが、一か八かのヒーローではなく、硬くて簡単には死なない、実力を出す時間をたっぷりと稼げる、《灰枝》《ミリフィセント・マナストーム》のようなヒーローを選びます

最後の1リロールの前は妥協した選択をする

ターン中、まだリロールがあるかどうかを確認しながら売り買いを進めますが、残り1リロールという状態になった時、なるべくその最後のリロールをする前のページのミニオンを妥協してでも買います。そうして最後の1ロールで要らないミニオンばかりが並んで買うミニオンがいないリスクをなくします

例えば、これは最初のターンでもそうです。次のターンもグレード1に留まる予定で、1体買った後に第一希望ではないけれども悪くはないミニオンがまだ酒場に残っていたとしたら凍結するべきです。それは次のターンに入る自動リロールで新しい酒場に入れ替わり、もしかしたらもっと良いミニオンが来るかもしれませんがいらないミニオンばかりが並ぶ場合もあります。実質的に残り1リロールの状態になっているので大失敗をなくして最低限を確保します。

ヒーローパワーを使うとすれば、次のが最後。現在のページはその前の状態。《下水ネズミ》よりも買いたい良い獣は多くいますが、とりあえずこれで妥協します。

2アクションする場合も同様です。ミニオンを2体買う動きをする場合、盤面を2体売って6コイン捻出する必要があります。それを換算すると現在7コインあり、これが最後の1リロール前のページです。強い動きではありませんが一応《メカーノ・エッグ》《グリースロボ》と2アクションが可能なのでそれで妥協します。

勝負から降りる見切りを早くする

負けに近づいている・8位になるかもしれないと判断して危険を察知すれば、勝負から降りて全力で逃げます。弱いヒーローで引きが良くない時など。その場合、将来のことを考えるのは止めて適当なテンポ部隊を組んでそのゲームは4位を狙って流して終わりにします。不利な状態でわざわざ勝負を挑むのではなく、また良いヒーロー・良い引きのゲームで自分に不利ではない時に勝負をすれば良いです。

勝負から降りる時の判断は早くないといけません。テンポ重視の部隊はいずれ良い方向性の部隊に追い抜かれて最終的には大ダメージを受けるので、体力を高く保っておくことが大切だからです。40残っていても良いぐらいで、死にかけてから手を打っても遅いです。

トリプルが遅れてグレード5にも6にも受けがない状態。適切なタイミングでトリプルが来ずに遅れたら、それはもう負けゲームです。早々に諦めて粘るプランにシフトです。

体力が減り過ぎたら、弱い盤面で手なりでグレード4に上げない

序盤の7コイン目あたりまでに体力が25程度まで減り過ぎたら、普段通りのコインカーブでグレードを上げるのには注意が必要です。25程度はそれ以上負けるとダメージキャップを失う負けられないライン。普通8コイン目、遅くとも9コイン目にはグレード4に上げますが、何らかの理由で相手はグレード3に留まる場合があります。そこでこちらが弱い盤面でグレード4に上げた場合、大ダメージを受けて致死ラインに落とされます。そうすると動きが制限されすぎて将来を断たれるからです。手なりでぽんとグレード4に上げた後、ふと相手を見るとグレード3に留まっている、となるとその時点であっさりと負けがほぼ確定するので用心します。

したがって、もし盤面が弱い場合、相手がグレード4に先に上げたのを確認してからでなければ上げられません。グレード上げの主導権は有利な側にあり、相手先にグレードを上げて先導します。

テンポから方向性を見出す、体力を先に支払わない

トリプルを抱えたり盤面の強さがないままグレードを5や6に上げたりして、体力を先に支払って方向性を探そうとするのはリスキーです。死んでしまったら未来も何もありません。死なないように盤面のテンポ維持がまず第一でそこから方向性を見出します。負けるときは大抵グレードを上げて体力を先に支払っています、順序が逆の先払いはダメです。

そうすると良い方向性が組みにくくなって歯がゆいですが、そのグレードを上げたい願望をいかに我慢できるかです。引きが良い時は自然に良い方向性が来て迷うことはないはずです。そうでないということは良い引きをしていないということで、良い回りをする夢は見れない側です。それに粘って生き残った先に良い方向性を見出すというケースもあります。

具体的には6コイン目ぐらいの序盤でない限り、中盤以降に「そのターンは顔面で受ける」といったプレイはダメです。15点を顔面で受けてしまうのならその選択肢はなく、別のやり方を考えるべきです。トリプルを抱えたいけど顔面で受けるのなら、そのトリプルはそのターンに組むか諦めるしかないということです。

テンポという方向性をつかんで離さない

テンポという方向性が来たら、それはつかんで離してはいけません。いくら探してもテンポが来ずに8位になることがあるゲームで、せっかく提供されたテンポをもっと良い方向性が組みたいからといって好き嫌いするのは要求が高すぎですから。それでは引きが自分の希望についてこれない時が出てきて安定しません。体力はすぐに溶けるものなので多く残っていてもあまり関係なく、これをやればトップ4には入れるという助かる道が見つかったら逃してはなりません

最初の方向性に集中する、2方向の混在を避ける

最初に得た方向性に集中して深さを出します。他の方向性に気を取られて迷いが生じ、盤面に2つの方向性が混在している状態は避けます。そうするとどっちつかずで深さを出せずに8位になるリスクが生じますから。質が良いけれども別の方向性が来た場合、飛びつくのではなく「これだと2方向になってしまうな」と判断したら手を出しません。

また、進んでいる方向性から別のより良い方向性に変化させることも目指さないほうが良いです。例えば悪魔や海賊を組んでいる時にマーロックの《アマルガドン》軍団に変化させるのを夢見る、などです。そういった変化するパーツを集めることでその時点で進めている方向性の進捗が遅れます。もしかしたら強力な部隊ができるかもしれないとしても、その時点で残り体力が多くあったとしても、もし次の戦闘で大ダメージを受けたら状況が一転して変化は諦めて必死にテンポを出すしかなくなるかもしれません。そうなれば集めていたパーツは無駄になりますしそういった不安定なミニオンを抱えないようにするべきです。夢を見ずにより確実に役に立つものを買います。そのままでいれば本来取れるはずのトップ4が脅かされてはいけませんから。

微妙なテンポ部隊を組むことを嫌わない

トリプルから良い方向性を得て綺麗に回る時に勝つのは当然でそこに実力は出ずあまり意味はありません。実力が出るのは逆で引きが悪い時です。そういう時に方向性はぐちゃぐちゃだけれども妙にテンポはある部隊を組んで粘れることが大事です。都合よくトリプルがかみ合うような引きが良い時は稀で、ぐでんぐでんのよく分からない状態になるのがほとんどでこれが普通だからです。こういった普通のゲームを無難に凌げること、大失敗しないことが大切。組んでいて意味不明で頭が痛くなるような、そういう微妙なテンポ部隊を嫌わないことです。方向性が来たなら当然そこに行きますが来ていない時に無理に行こうとしても死ぬだけなので、来ているテンポでやりくりするしかありません。

わけが分からない盤面になっています。こういう苦しい状態で諦めずにいかにテンポを絞り出すかです。

テンポは常に全開

どうしようもなく強い相手に当たって大ダメージを受ける時に備えて体力を高く保つのが8位を取らないポイントです。なのでバフミニオンやトリプルを抱えたり、グレードを早上げしたりといった、顔面で受けるような手を抜くプレイは基本的にするべきではありませんちょっと全力出し過ぎているぐらいでちょうど良いです。そんな風に相手の盤面が強いことを想定して進めます。

それに相手のことも相対的に考えれば、自分の体力を削って勝ち筋を得ることにあまり意味がありません。というのも自分が弱い盤面で戦闘した場合、相手はダメージを受けないのでその後安全に方向性を求める余裕が生まれるからです。半面、自分はダメージを受けて余裕はなくなって選択肢は減ります。とすれば、結局自分が良くなったとしても相手もその分良くなって伸びるので相対的にあまり意味がなく、結果としてこちらは体力を失って危険な状態、相手は体力を温存してより安全な良い状態になります。であれば最初からより体力を温存できる、守りの選択をした方が良いです。強いプレイヤーであれば相手の守りも堅いはずなので、それでちょうど引き分けるぐらいなわけです。

こういう風に考えてテンポをきちんと出せば、戦闘でそれほど負けないはずです。人に運の良し悪しなどなく長い目で見ると自分も相手も同じような引きなのですから。負けるのは、自分がテンポを出し惜しみする選択をしている、まだ手を抜いているからです。相手はそれを上回るほど身を切ってきたんです。バリューをどこまで削れるかという競売のようですね。

ちょっと自分の盤面は強すぎるかも。

思っているほど勝てないからその心配はしなくても大丈夫。

瀕死の相手には特に警戒して全力を出す

瀕死になったプレイヤーは将来のことを考えられずに全力を出してきます。そういう強い盤面の相手に、自分の体力に余裕があるからといって弱い盤面で挑むと大ダメージを受けますそうすると立場が逆転することがあるので要注意です。こちらは体力を致死ラインにまで落とされ、相手は死体と当たって勝ち筋をつかんだりします。そういう窮鼠状態の相手に噛まれないように、こちらもやり過ぎなぐらい全力で挑む方が安心です。もし相手が弱ければ全力を出した分勿体ない感じがしますが、万が一に備えて安定を取るのが鉄則です。

それに体力がそこまで減っているということはそれまでに将来性重視のプレイをしており、勝ち筋はつかんでいるけれども間に合うかどうか際どいラインに立っている可能性もあります。つまりその時の自分が倒さなければ、そこを乗り換えたその将来性あるプレイヤーは1位になるかもしれません。次対戦するときに自分を倒してくるかもしれません。リスクを冒した後、都合良く助かればそれは強いですから。例えば《厨房の悪夢ノミ》のゴールデンを持っている《レノ・ジャクソン》や《イセラ》などです。そうなれば上位の席が1つ取られるのでその分自分が上位に入れる確率が減ります。瀕死の相手に全力を出しておけばそういった逆転を防げます

つまり相手が勝ち筋をつかんでいようといなかろうと全力を出しておけば間違いがないということです。

システムミニオンを早めに切り捨てて、1位よりも2位を狙う

トップ4に残った後はジレンマが発生します。《ブラン・ブロンズビアード》のようなシステムミニオンを残さないと発展性がなくなって1位を取れないかもしれないけれども、切り捨てないとそのターンの戦闘で倒されて3~4位になってしまうかもしれないという迷いです。3~4位はレートに変動がほぼありませんが、2位を取ればレートは上がります。最低限を確保するのが安定するための原則なので、システムミニオンは早めに切り捨てて2位を狙います。

これはトップ4に残った後だけでなく、トップ4が決まるまでにも同じことが言えます。多くのプレイヤーが瀕死になった状態での8位にならない戦い、トップ4を決める戦い、そういった接戦で次が順位を確定する大事な一戦である場合、夢を捨てて最低限を確保します。それでも1位を取れないわけではありません。その後の「猛毒」「聖なる盾」軸ミラー戦などの取っ組み合いがあり得ますから。

こちらがシステムミニオンを切り捨てていない状態で相手がオールインしていて不意打ちで倒される、これがあってはなりません。そのロビーのプレイヤーの強さは分かりませんが、早めに仕掛けて来る(安定を重視する傾向がある)ような強いプレイヤーが常に相手であること、万が一を想定しないといけません。たまにおそらくロビーの全員が強いプレイヤーで誰も死なない接戦になることがあります。8位を取るのはそういう厳しいロビーで、そこで競り負けてはいけません。死んでから厳しいロビーだったことを知っても遅いので最初からそれを想定して動くんです。

まとめると、細かいことは考えずに序盤から終盤まで常に全力のテンポを出せば間違いありません

次の対戦相手は死にかけていて弱そう。まだ体力40あるからグレード6に上げて気持ち良く勝ちたい。

まだそれ言う?