賃貸契約での交渉は、不動産屋同士を競合させるだけでいい

生活

賃貸契約の募集要項には、不動産屋がぼったくるための条件がたくさん混ぜこまれています。そのまま契約すると無駄に高額な契約になるので、交渉して値切りましょう。交渉では、複数の不動産屋が扱う物件を選んで、「交渉に応じなかったら他の不動産屋で契約する。」と言って不動産屋同士を競合させるのが効果的です。

ちなみに私は現在の一人暮らし用の部屋を借りる際にいくつかの物件を不動産屋と交渉しましたが、家賃を下げたり仲介手数料を半額にしたり、その他の契約条件を変更したりして、引っ越し費用を安く抑えることができました。交渉するときの心構えから具体的な方法について書きます。

心構え

不動産屋とは資源を奪い合う関係

不動産屋とは限られた資源を奪い合う関係です。つまり契約条件でどちらかがおいしい思いをすると、もう片方はその分まずい思いをします。不動産屋は物件を探してくれるパートナーという認識だけでは不十分です。それに今はネットで大体探せますし。ちなみに大家は契約に関して不動産屋に丸投げしていることが多いので、あまり関係ないです。

不動産屋は笑顔で丁寧なおもてなしをしてくれますが、そうやって不動産屋が笑っている間は契約内容が不動産屋にとってはおいしく、こちらにとってはまずい状態です。不動産屋がムッとして笑顔が消えている程度でなければダメです。うんざりされて嫌われるくらい交渉しましょう

気に入った物件にこだわらない

求める条件にぴったり合う良い物件はなかなかありません。ですからそういう物件を見つけると、他の人に取られる前に早く契約したくなって盲目的になりがちです。不動産屋が攻めてくるポイントはそこで、

不動産屋
不動産屋

良い物件なので、早く契約しないと他の人に取られてしまうかもしれません。

だとか、

不動産屋
不動産屋

条件が良い物件なので、家賃交渉は難しいです。

みたいなことを言ってきます。こちらが良いと思った物件について話しているのですから、当然ですね。実際、引っ越しをする時期を絞るなら良い物件はしばらく見つからない可能性があるのは事実。

かと言って、不動産屋の言いなりの悪い条件で契約するならそれはすでに良い物件とは言えません。普通の物件を交渉して安くした場合と同じくらいの良さになるかもしれませんから。目指すのは、良い物件を良い条件で契約することです。ですので、内心その物件を逃したくないと思っていても、「契約条件が良くならなければ、その他の微妙な物件と同じなのだから別に拘らない。」くらいに考えておきましょう。

交渉の準備

繁忙期は避ける

2〜4月あたりの不動産屋の繁忙期は避けましょう。不動産屋からすれば放っておいても契約は決まっていくので、交渉に応じてくれない可能性が高いです。

複数の不動産屋が扱っている物件を選ぶ

今は基本的に物件はネットで探して目当ての物件について不動産屋に問い合わせる流れになります。ここで最も重要なのが、スーモ・ホームズ・アットホームなどの適当な不動産ポータルサイトで気に入った物件を見つけたら、必ずその物件を他のポータルサイトでも検索し、複数の不動産屋が扱っているかを確認します。もし複数の不動産屋が扱っている物件であれば、後述しますが交渉がかなり有利になります。もし1社しか扱っていなかったとしても交渉は可能ではあります。

気に入った物件の過去のデータを調べる

どれくらい交渉できそうか情報を収集します。物件名をグーグルで検索したりして、不動産ポータルサイトのアーカイブなどから過去のデータを調べます。募集ページに物件名が載っていなくてわからない場合、もし地図が載っていればグーグルマップと照らし合わせてストリートビューを見たりすれば物件名がわかったりします。

過去のデータを見つけたら、その物件の家賃の推移や空室募集がどれくらいの頻度で出ていたのかを見ます。もし空室募集が頻繁に出ていれば、人気のない物件なので交渉がしやすい、などが読み取れます。閑散期の場合、貸す側からすると空室が長引くリスクは大きいので、交渉に応じてくれやすいです。

交渉のやり方

交渉をするのは、契約をする直前です。家賃に関しては審査前の方がいいかもしれませんが、それ以外は審査後でも交渉できます。ポイントは、複数の不動産屋が取り扱っている物件なら、相手が交渉に応じなかった時に「この物件は他の不動産屋でも扱っているので、そちらでも条件を確認してみます。」と言って他に流れることを匂わせる、やることはこれだけです。不動産屋が、「もう大家に連絡をしてしまった。」などと言って止めてきても気にしなくて大丈夫です。一つの不動産屋しか取り扱っていない物件の場合にはこの方法が使えないので、単にお願いするのみです。

この時に希望する値下げ額など、余計なことは言わない方がいいです。素人がプロと知識で戦っても不利なので、プロの不動産屋同士で競合させて、ベストな金額まで下げさせましょう

交渉できる項目と優先順位

不動産屋は当然のように募集要項にぼったくり条件を並べていますので、丁寧に一つ一つカットしていきます。下の表では交渉できる項目を金額が大きいものから記載していますので、上にある項目から順番に交渉していきます。具体的な金額をこちらから言わずに、安くならないか聞くと相手が提示してくれます。一つの項目の結果に関係なく、一番下の項目まで交渉していきます。

家賃継続的にかかる費用で敷金にも影響するので影響度が最も大きく、真っ先に狙います。大家の意向が絡んで無理な場合もあります。
礼金大家には渡らない不動産屋の取り分、契約獲得のボーナスだったりします。地域によってあったりなかったりしますが、2ヶ月分記載されていたりしたらおそらく上乗せされていますね。
更新料2年おきの継続費用になるので狙います。なしの物件もあるのに、2年おきに家賃1月分は高すぎます。
仲介手数料不動産屋の取り分だと文面で書いてあるので必ず下げます。不動産屋は大家側からも収益がありますので、「なしにしてください」と伝えます。ネットで自分で探した物件であればなおさらです。契約手続きだけで家賃1月分は高すぎます。
害虫駆除料ハウスクリーニングなど名前が異なっていたりしますが、なしにできます。どんな駆除作業をするのか不明ですが、入居してから万が一、虫が多ければ自分でバルサンでも炊けば良いです。私は特に問題なかったです。
鍵交換費用物件によってあったりなかったりします。大家側が負担するべき費用なのではと議論されているくらいなので、なくせそうです。
火災保険料必須ですが、2年で17000円などで無駄に高い契約プランです(不動産屋のキックバック狙い)。自分で全労済の住まいる共済を契約すれば2年で8000円以下になったりします。

害虫駆除料・鍵交換費用・火災保険料に関しては、同じ物件でもそれを扱っている不動産屋によって条件が異なっていたりする部分なので、まず成功するでしょう。

あとは自分が納得して契約できる条件になれば契約して、ならなければ本当に他の不動産屋に乗り換えるだけです。引っ越しには何かとお金がかかるので、ぜひ賃貸契約を安く済ませて少しでも余裕を持たせて下さいね。